シネクドキ・ポスターの回路

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こんな映画を観た!ベスト5 〜8月編〜

 

 

おすすめ映画紹介・八月編

お久しぶりです。最近いろいろあってブログ更新遅れがちなまさがきです。

いろいろありましたが、映画はちゃんと観ています。今回は、先月(8月1日〜8月31日)に観た全41作の中から、超私感的なおすすめ映画五本を(むやみに)ランキング形式でご紹介していきたいと思います。月末から数えるとだいぶ遅れてしまった感が否めないですが、どうせ10年以上前の映画とかばかりなので、あまり影響はないかと思われます。

それでは早速、五位から順番に紹介していきます!

 

 

5位『悪魔のいけにえ2』

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あらすじ

恐怖の殺人鬼家族・ソーヤー家による大量惨殺事件から13年。唯一の生還者・サリーの通報を受けて捜査が行われたものの、一家どころか遺体さえ発見されず、事件はお蔵入りとなった。事件で犠牲になったフランクリンの叔父・レフティは、甥の無念を果たすべく、今も独自の調査を進めている。そしてある日、レフティはとある交通事故現場で、チェーンソーによる謎の傷跡を発見する……。

個人的感想

言わずと知れた名作ホラー『悪魔のいけにえ』のシリーズ第二弾。ふたたびトビー・フーパー監督がメガホンをとり、復讐に取り憑かれた新たな主人公レフティデニス・ホッパーがさすがの狂演。あまりにも狂い過ぎていて、これは笑っちゃってもいいのか?というシュールの域まで到達した独創的なホラー感覚はまさに天才的。あんなに人を殺めまくっているのに憎みきれないソーヤー家のキャラクターを含めて、ホラーなのに胸糞悪さのない、これぞ純粋な創造性だと思います。

 

 

4位『ムード・インディゴ うたかたの日々』

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あらすじ

フランスの前衛作家ボリス・ヴィアンによる青春小説を鬼才ミシェル・ゴンドリーが映画化。財産に恵まれ、自由奔放に放蕩の日々を送る青年コランは、あるパーティーで魅力的な女性クロエと恋に落ちる。惹かれ合う二人は結婚し、幸せな日々を送るものの、予期せぬ病魔がクロエの身体を襲う。治療費を稼ぐために働きに出るコラン。しかし、クロエの容態は一向に改善せず……。

個人的感想

ただでさえぶっ飛んだ原作に、ゴンドリー監督らしい独創的なイメージセンスが加わって、手加減のないイマジネーションの洪水っぷりはもはや狂気の沙汰。そんな鮮やかで賑やかな語り口によって二人の出会いが描かれる前半と、悲劇的結末へと突き進む陰惨でモノクロームな後半部との対比が見事です。べネックス監督の名作『ベティ・ブルー』しかり、フランスの恋愛映画はバッドエンドがひとつの定石ですが、中でもかなり強烈な印象が残った作品でした。

 

 

3位『ジェーン・ドウの解剖

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あらすじ

深夜、バージニア州の郊外で検視官を務めるティルデン親子のもとに、緊急の検死依頼が舞い込んできた。遺体の女性は身元が不明で、外傷などもなく、まるで今も生きているような状態に見えた。しかし解剖を進めていくうち、親子はその異様さに気付きはじめる。切り取られた舌、真っ黒に変色した肺、胃に残っていた謎の布片……やがて、謎の怪奇現象が二人の身を襲い始める。

個人的感想

全編86分と短めの作品ですが、かなりユニークかつ緻密な内容で、観応えのある一本です。検死室というシチュエーションそのものが斬新だと思いました。解剖が進むにつれてどんどん不穏になっていく、先の読めない展開の流れ方も見せ方も巧妙で、しっかり怖かったし面白かったです。伏線をきっちり回収するオチまで丁寧、クライマックスも容赦なさすぎで好きです。ちなみに「ジェーン・ドウ」とは、身元不明の女性に当てられる仮の呼称なのだそうです。

 

 

2位『REC/レック

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あらすじ

レポーターのアンヘラは、カメラマンのパブロとともに真夜中の消防署の密着取材を行なっていた。その時、とあるアパートへの出動指令が下りる。急行した消防士たちに同行した二人は、その現場で異様な様子の老婆に遭遇、その場にいた警備員の一人が噛みつかれてしまう。病院へ運ぼうとする一同だが、アパートは突如として封鎖され、彼らは住民たちと共に閉じ込められてしまう。

個人的感想

本国スペインで大ヒットを記録した、全編ビデオカメラによる主観視点(POV)で撮影されたモキュメンタリー・ホラーの金字塔。POVならではの臨場感が半端ではなく、トリアー監督ばりの張り詰めた空気作りも圧倒的です。全体の展開の流れも見事かつ強烈かつユニークで、素晴らしい脚本だと思います。POVにありがちな「こんな状況でカメラ回さなくても」のジレンマも、巧妙な状況設定によって見事に克服しており、まさしくお手本のような作品だと思いました。

 

 

1位『クリープ』

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あらすじ

映像作家のアーロンのもとに、たった一日の撮影で1000ドルを支払うという謎の仕事依頼が寄せられる。ジョセフと名乗る依頼主の男は「じきに生まれる子供のため、もうすぐ癌でこの世を去る自分の代わりに、ビデオ日記を遺しておきたい」と仕事の内容を打ち明ける。撮影を始めるアーロンだったが、カメラの前で意味不明な行動をとり続けるジョセフに対し、次第に不審感を募らせていく……。

個人的感想

斬新なアイデア。知らない男の日常を撮らされるって、ありそうでなかった気がします。なんとも言えない状況設定の中、どんな気持ちで観ればいいのか分からないまま、容赦なくエスカレートしていく奇行の気持ち悪さがあまりに絶妙で、慄きながら笑うしかありません。ほぼ全編ふたり芝居ですが、演じているのは本作の脚本家&監督。それを聞くと、この異様に濃厚な空気感も頷ける気がします。要所でびしっと決まるカメラワークもカッコいい。キャストも脚本も演出も素晴らしく、低予算ホラーにいまだ眠る無限の可能性が改めて感じられる、異形の大傑作です。

 

 

おわりに(そして九月編もやります)

いかがでしたでしょうか。五本いずれも素晴らしい名作ばかりなので、興味があればぜひご覧になってみてください。この記事が何かの拍子に、新たな映画との出会いや、有意義な再訪のきっかけとなるようなことがあったら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

あと、今もほぼ一日一本鑑賞のペースが続いているので、今月分も来月(ややこしい)書くと思います。どうぞよろしくお願いします。